暮らしかたと働きかたは、車の両輪のようにその人の人生をかたちづくるもの。けれどいつしか現代人は、忙しさとノイズの中で足元を見失い、「働くために暮らす」ようになってはいないでしょうか。
大切な人と手づくりの食卓を囲むこと。住まいをこざっぱりと居心地よくととのえ、季節の風情をたのしむこと。暮らしとは、淡々とした日々の営みを、うまずたゆまず愛情込めて繰り返すことで、しっかりと根をはってゆくもの。そんな暮らしの上に立って、自らの仕事に精いっぱい打ち込む人の姿は、悠々とした木のように強く美しいと思います。
仕事を離れてくつろぐ夜。「良い一日のはじまり」に、大人の心とからだをいつくしみ、新しい一日の活力を与えるみなもとになりたい。そんな思いからMeDu(めづ)は生まれました。
醤油や味噌、日本酒などは言わずもがな、古民家の土壁から藍染めにいたるまで、「発酵」を暮らしに活かしてきた日本人。目に見えないものの力を信じ、時が熟すのをしずかに待つ、その叡智はなんと豊かだったことでしょう。
先祖から受け継いだ伝統に学びつつ、時代に合った革新を繰り返す――。
そんな「復古創新」の理念のもと、私たち石見銀山生活文化研究所は、島根の里山で衣食住の提案を続けてきました。
そしていま私たちが注目するのが、県の地域資源である新種の自然酵母「梅花酵母」。
その酵母がもつ驚くほどの有用性を、大人の美と健康に役立てるため、化粧品製造会社や県の研究機関と協力して、MeDu(めづ)開発は始まりました。進化した科学を背景に、発酵の新しい活用法を生み出し、地域産業に活気をもたらすこと。明日の豊かさを願う、私たちのチャレンジのひとつです。
1980年代の初めに、人口約500人という過疎の村にある呉服屋の片隅で、ちくちくと始めた布小物づくり。それが私たち石見銀山生活文化研究所のルーツです。
営む店の名前は「ブラハウス」から「群言堂」へと変わりましたが、根底に流れる思いはいつも同じです。稲穂が揺れる田んぼやあぜ道。土手のあるせせらぎ。古い屋敷の佇まい。
「いつかこの田舎の風景に価値が見出される日がきっと来る」。そう信じて、景観を壊すことのないよう、古い建物を手に入れては、10年20年と時間をかけて改装し繕う日々でした。
私たちがめざすのは、使い捨てでない長く愛されるものづくり。「作りすぎない」「捨てない」精神で、足元にある宝を見直し、風土と融合した持続可能な衣食住のあり方を考えたいと思っています。
そんな私たちをある人が形容した言葉は「里山式生きざま産業」。
“We are here!”。
これからも、この地に生かされ、この地をたのしみ、ここから発信してゆきます。
名称 | 株式会社 石見銀山生活文化研究所 |
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住所 | 島根県大田市大森町ハ183 |
電話 | 0854-89-0131(代表) |
代表取締役 所長 | 峰山 由紀子 |
設立 | 1998年 |
資本金 | 4,800万円 |